税金ってホントややこしい…

フリーランスである私でさえも、ここは本当に逃げ出したくなる瞬間です。

ですが税金は税金。逃げても仕方がなく、絶対に払うべきものです。

税金の種類』から始まり、ある 3人を例にして税金シミュレーションします。

ここでは『納税額』を計算するプロセスが頭に入ります。


フリーランスの税金|種類

そもそも、フリーランスは何の税金を支払うことになるのか説明します。

フリーランスの所得税

フリーランス『税金の種類』|例を使ってシミュレーション

所得税

所得税とは、所得(儲け)に対して支払う国税のことです。

フリーランスの所得とは

所得は10種に分けられていますが、フリーランスの収入は「事業所得」にあたります。

  • 利子所得
  • 配当所得
  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 給与所得
  • 退職所得
  • 山林所得
  • 譲渡所得
  • 一時所得
  • 雑所得

▼他の所得は…

  • 不動産収入のあるフリーランス:不動産所得+事業所得
  • 副業している人:給与所得+事業所得
  • サラリーマン:給与所得

フリーランスの所得税

1 年間の総収入から『所得控除』を差し引き、残りの『課税所得』に税率をかけて計算します。

フリーランスの税金と控除|損しない計算方法

その中でも全ての人が受けられる『基礎控除』が48万円です。

ですので、フリーランスの年間所得が基礎控除48万円を下まわる場合は確定申告不要です。

フリーランスの住民税

フリーランス『税金の種類』|例を使ってシミュレーション

住民税

住民税とは、教育・福祉・消防・救急・ゴミ処理といった生活に身近な行政サービスに対して支払う地方税です。

市民税+県民税(都民税・府民税・道民税)=住民税と呼びます。

そして住民税は、法人住民税とフリーランスや個人に課せられる個人住民税に分かれます。

フリーランスの住民税

住民税は納税額を計算するまでのプロセスが複雑です。

住民税 = 所得割額 + 均等割額

  • 所得割額=納税義務者の所得によって計算されるもの
  • 均等割額=全ての納税義務者から均等に徴収されるもの

所得割額

  • 総収入−経費−所得控除=課税所得額
  • (課税所得額×税率)−調整控除=所得割額

均等割額

  • (市町村民税の均等割額+復興増税)+(道府県税の均等割額+復興増税)+特別増税=均等割額

市町村民税の均等割額は 3,000円、道府県民税の均等割額は 1,000円です。

平成 26年度から令和 5年度の 10年間、東日本大震災の復興に関し、市町村民税の均等割額・道府県民税の均等割額にそれぞれ 500円が加算されます。

その他「静岡県の森林づくり県民税 400円」のような特別増税がある都道府県もあります。

住民税が非課税になる条件

  1. 生活保護を受けている
  2. 未成年者、障がい者、寡婦(かふ)、寡夫(かふ)で、前年の合計所得金額が 125万円以下
    (このため所得が給与所得のみの方は、給与収入が 204万 4000円未満)
  3. 前年の合計所得金額が ※各地方自治体の定める条件の金額以下

各地方自治体の定める条件の金額とは

東京23区の場合
扶養なしの人は合計所得 35万円
扶養がある人は35万円×(本人+扶養親族+控除対象配偶者)+21万円

例えば扶養家族のいないフリーランスの場合、合計所得(年間総収入−経費−所得控除)が 35万円を下回れば住民税は非課税になります。

自治体で異なる住民税

住民税はお住まいの市区町村・都道府県で税率や均等割額が若干異なります。

標準税率は平均 10%、均等割額は標準 5,000円と言われていますが、例外もありますので各自治体ウェブサイト(東京都など)で確認しましょう。

フリーランスの個人事業税

フリーランス『税金の種類』|例を使ってシミュレーション

個人事業税

個人事業税とは、事業をしている個人事業主に対して課せられる地方税のことです。

ですので、当然サラリーマンにはかかりません。

フリーランスの個人事業税

事業主控除が年間 290万円ありますので、それ以上の所得(儲け)があった個人事業主には納税義務があります。

個人事業税の対象事業は、法定業種で 70種と定められています。

税率は 3〜5%と、実際におこなっているフリーランスの業種によって異なります。

フリーランスの消費税

フリーランス『税金の種類』|例を使ってシミュレーション

消費税

消費税とは、商品の販売やサービスの提供に対してかかる国税です。

消費者が負担している消費税は、一旦事業者が『預かり』ます。

預かった消費税を、事業者が国に納めます。

フリーランスの消費税

原則として課税売上が1,000万円を超えると消費税の納付義務が生じます。

また前々年の課税売上が納税対象となるため、設立から2年間は「免税事業者」となります。

フリーランスの固定資産税

フリーランス『税金の種類』|例を使ってシミュレーション

固定資産税

固定資産税とは、その年の 1月 1日時点で、土地・家屋及び償却資産を所有している人にかかる税金です。

とくに申告する必要はなく、市町村から納付書が郵便で届きます。

納税時期は各自治体によって異なりますが、年 4回(通常は 6月、9月、12月、2月)または一括支払いになります。

フリーランスの固定資産税

自宅の一部を仕事場として使用している場合は、その使用割合によって按分(あんぶん)した固定資産税の金額を必要経費にできます。


フリーランスの税金計算
シミュレーション

では具体的な例をもとに、フリーランスの税金を種類別で計算シミュレーションしてみます。

フリーランスのAさん

フリーランス『税金の種類』|例を使ってシミュレーション

Aさん
フリーランスの年間総収入が30万円あり、サラリーマンの夫と都内の賃貸アパートで暮らしている。

支払う税金

  • 所得税:なし
  • 住民税:なし
  • 個人事業税:なし
  • 消費税:なし
  • 固定資産税:なし

税金の内訳

▼所得税 なし

年間事業所得が基礎控除48万円を下回るので所得税がかかりません。

ですので確定申告も不要となります。

▼住民税 なし

Aさんの年間総収入は30万円で、都内のルールである合計所得35万円(扶養なし)を下回るので非課税です。

▼個人事業税 なし

年間総収入30万円が事業主控除290万円を下回るのでかかりません。

▼消費税 なし

課税売上が1,000万円を超えていないので発生しません。

▼固定資産税 なし

不動産を所有していないのでかかりません。

▼その他ポイント

Aさんは夫の扶養に入ることができます。

そして納税者である夫は所得税・住民税ともに配偶者控除を受けることができます。

フリーランスのわかりにくい扶養|とことん説明します!

フリーランスBさん

フリーランス『税金の種類』|例を使ってシミュレーション

Bさん
都内の大学に通いながらフリーランスとして年間総収入が 100万円あり、経費として年間 10万円使用した。

支払う税金

  • 所得税:あり
  • 住民税:あり
  • 個人事業税:なし
  • 消費税:なし
  • 固定資産税:なし

税金の内訳

▼所得税 2 1,000円

  • 年間総収入 100万円−必要経費 10万円−基礎控除 48万円=課税所得 42万円
  • 課税所得 42万円×税率 5%−控除額 0円=所得税額 21,000円

▼住民税 4 9,500円

住民税は所得割額と均等割額の合計です。

住民税は前の年の年間所得に対して課せられる地方税ですので、納税額は翌年請求されます。

所得割額

  • 総所得 100万円−必要経費 10万円-基礎控除 43万円=課税所得 47万円
  • 課税所得 47万円×(a)税率 10%−(b)調整控除 2,500円=所得割額 44,500円

(a)税率
都民税 4%+区市町村民税 6%= 10%

(b)調整控除
「所得税から個人住民税への税源移譲」に伴い、所得税と個人住民税の人的控除額(基礎控除や扶養控除など)の差額から税負担が増えないように調整するため、個人住民税の所得割額から一定額を控除するものです。

東京都の場合、個人住民税の合計課税所得金額が 200万円以下か、それを超える人かで計算方法が異なります。

Bさんは課税所得 47万円により、200万円以下に該当するので下記の計算となります。

適用を受ける人的控除に対応する人的控除差額の合計額 5万円× 5% (市民税 3%/都民税 2%)= 2,500円

均等割額

  • (市町村民税の均等割額 3,000円+復興増税 500円)+(道府県税の均等割額 1,000円+復興増税 500円)=均等割額 5,000円額

所得割額+均等割額=住民税

  • 所得割額 4万 4,500円+均等割額 5,000円=住民税 4万 9,500円

▼個人事業税 なし

年間総収入 100万円が事業主控除 290万円を下回るのでかかりません。

▼消費税 なし

課税売上が 1,000万円を超えていないので発生しません。

▼固定資産税 なし

不動産を所有していないのでかかりません。

フリーランスのCさん

フリーランス『税金の種類』|例を使ってシミュレーション

Cさん
東京の分譲マンション( 75㎡ )を自宅兼職場として利用し、フリーランスのカメラマンとして年間総収入が 800万円あり、経費として年間 150万円使用した。パートの年間給与所得が 80万円の妻と住んでいる。

自宅の事業使用部分は 20㎡とする
・マンションの固定資産税は 20万円とする
必要経費に固定資産税を租税公課として経費計上する
・65万円の青色申告控除を受けている

支払う税金

  • 所得税:あり
  • 住民税:あり
  • 個人事業税:なし
  • 消費税:なし
  • 個人事業税:あり

税金の内訳

▼所得税 56万 100円

  • 年間総収入 800万円−(必要経費 150万円+固定資産税按分 5.2万円)−(基礎控除 48万円+配偶者特別控除 38万円)−青色申告特別控除 65万円=課税所得 493万 8,000円
  • 課税所得 493万 8,000円×税率 20%−控除額 42万 7,500円=所得税額 560,100円

固定資産税については持ち家なので経費計上することができますが、事業使用部分のみしか計上できないため「按分(あんぶん)」によって経費計上分を算出します。

  • 事業使用部分 20㎡÷床面積 75㎡=事業使用割合 26%
  • 固定資産税 20万円× 26%=経費計上分 5万 2,000円

▼住民税 50万 6,300円

所得割額

  • 総所得 800万円−(必要経費 150万円+青色申告特別控除 65万円+固定資産税按分 5.2万円)−(基礎控除 43万円+配偶者特別控除 33万円)=課税所得 503万 8,000円
  • 課税所得 503万 8,000円×税率 10%−調整控除 2,500円=所得割額 50万 1,300円

均等割額

  • (市町村民税の均等割額3,000円+復興増税500円)+(道府県税の均等割額1,000円+復興増税500円)=均等割額5,000円額

所得割額+均等割額=住民税

  • 所得割額 50万 1,300円+均等割額 5,000円=住民税50万6,300円

▼個人事業税 13万 4,400円

個人事業税を計算する上で、青色申告特別控除の適用はされません。

  • 年間総収入 800万円−(必要経費 150万円+固定資産税按分 5.2万円)−(基礎控除 48万円+配偶者特別控除 38万円)=課税所得 558万 8,000円

Cさんの個人事業税の課税所得は 558万 8,000円となり、事業主控除 290万円を上回るので課税対象になります。

カメラマン事業の事業税率は 5%です。

  • (課税所得 558万8,000円−事業主控除 290万円)×税率 5%=個人事業税 134,400円

▼消費税 なし

課税売上が 1,000万円を超えていないので発生しません。

▼固定資産税 20万円

都道府県によりますが、毎年 4〜6月あたりに納税通知書が自宅に送付されます。

納付書も同封されており、そこに納税金額が書かれています。

Cさんのマンション送られてきた通知書には固定資産税 20万円と書かれており、これを4期または一括で支払うことになります。

固定資産税 支払い方法

支払い方法も下記のようになりますが、都道府県によって異なります。

・金融機関・郵便局・都税事務所・都税支所・支庁の窓口
・口座振替
・コンビニエンスストア
・スマートフォン決済アプリ
・金融機関・郵便局のペイジー対応のATM、インターネットバンキング、モバイルバンキング
・クレジットカード(インターネットを利用した専用サイト)

固定資産税はどうやって決まる?

固定資産税の納税額を決める「固定資産税評価額」は、市町村に委託された不動産鑑定士によって評価され、3年に 1度見直されます。

土地の評価
宅地・農地等地目別に売買実例価額等を基礎として、評価額を算定。 宅地については、地価公示価格等の7割を目途に評価。

家屋の評価
再建築価格及び経年減点補正率等に応じて、評価額を算定。
再建築価格=評価対象家屋と同一の家屋を、評価時点においてその場所に新築する場合に必要とされる建築費
経年減点補正率= 家屋の建築後の年数の経過に応じて生じる減価を基礎として定めた率

(出典:総務省)

おわりに

フリーランス『税金の種類』|例を使ってシミュレーション

フリーランスの数だけ計算方法がある…。

人にはそれぞれの家族や生活があり、抱えている事情も色々ですよね。

どんどん複雑になって目を背けたくなりますが、節税・正しい納税のためにも知識があるにこしたことはありません。

あなたはどんなパターンでしょうか、今一度見つめ直してみましょう。

カテゴリー: フリーランス